デリヘル嬢をやるネイリストSさんに聞いてみた!
実際に風俗業界で働いている人達って、どんなことを考えているんだろう?
そう思ってはじめさせてもらったインタビューコラムも、今回でなんと4回目です。
↑記念すべき第1回はこちら。
そして4回目となる今回は、ネイリストとして頑張る一方、夜はデリヘル嬢として仕事を掛け持ちしているSさんです。
実はぽっちゃり体型であることが長年のコンプレックスだったという彼女は、デリヘルをはじめたことで心境に変化が起きたそうです。そんな面白い話をたくさん聞いてきました。
今回はお店の名前と、自分の名前を伏せることを条件にお話を聞かせてもらいました。そのため深い詮索はご遠慮くださいね。お店や名前がわかってしまった方がいても、内緒にしておいてください。
さっそくですが、待ち合わせ場所は栃木県内のファミリーレストランでした。さすがネイリストさんだけあって、おしゃれで、そしてかわいいネイルをしたSさんは、こちらの予想を超えてかなり面白い方でした!
Q どうしてネイリストでありながら、デリヘルをはじめたんですか?
「えーと、簡単に言うとお金のためですよね!」
笑顔で答えてくれたSさんは、実は一昨年の暮れに自宅でネイルサロンをオープンさせたばかりです。
インタビュアー(以下イ)「簡単ですね(笑)そのへんを詳しく教えてください」
Sさん(以下S)「ネイルだけでは収入が安定しないので。ネイルの仕事はお客さんに合わせて営業時間が変わるので、副業をするのにもなかなか難しかったんです。だから本当に空いてる時間だけって考えた時に、風俗がぴったりだったんですよね」
なんとSさんのネイルサロンは、営業時間は要相談!これと決まった営業時間があるのではなく、たとえば結婚式当日にネイルをしたい方のために朝の8時からお店を開ける時もあれば、仕事帰りのOLさんのために20時からでも受け付ける場合があるんだそうです。
イ「すごく大変ですね……?」
S「大変ですけど、楽しいんですよ」
(Sさんはネイリスト検定1級。得意なデザインはシック、モダン系。元美容師で、今は自宅でネイルサロンを営んでいます。)
Q 風俗のお仕事をはじめることに抵抗はなかったんですか?
「もちろん抵抗はあったし偏見もありましたよ。でも給料にひかれちゃったんですよね」
イ「たしかに求人をみると、え?って思うくらいの金額がかかれていることってありますもんね」
S「そうなんです。でも私は太ってるんで、そもそも雇ってくれるお店があるのかってそっちのほうも心配でした」
Q ぽっちゃりで悩んでいたという話を聞きましたが?
「そうですよ、78キロありますし」
イ「え!?言っちゃっていいんですか」
S「大丈夫です。プロフィールに書いてあるし、公表してますから」
イ「ごまかさずに?すごいですね?」
S「よく言われます(笑)」
まさか体重まで教えてくれるとは思っていなかったので、びっくりしてしまいました。年齢や体重を偽っている方が多いイメージのある業界で、ここまで正直に公表している方はとても珍しいのではないでしょうか。
S「この体型、昔はコンプレックスだったんです。でもデリヘルをはじめてから優しくしてくれる男性が多くて、逆に自信が持てたって部分もあるんですよ」
イ「優しい方が多いんですか?」
S「そうなんです。意外かもしれないんですが、本当にみなさん優しいんです」
Q 実際に働いてみて、風俗に対するイメージって変わりましたか?
「そうですね、やっぱり変わりました。さっきの質問の答えと同じになってしまうんですけど、意外と優しい人が多くて、自分の体型に自信が持てるようになったのって大きいです」
Q 今のお店はどうやって見つけたんですか?
「はじめはぽっちゃり専門店のほうがいいかなって思って探してたんですけど、ちょっと気になったお店があって、問い合わせてみて、面接行って、体験入店してって、どんどん話が進んじゃって、結局そのままそのお店で働き出しました」
イ「じゃあぽっちゃり専門店ではないんですね?」
S「そうです。人妻系の普通のお店です」
「運が良かったんですよね」と話してくれたSさんは、最初に問い合わせをしたお店が合っていたらしく、今もそのお店に在籍しています。
Q 週にどのくらい働くんですか?
「その月によります。月1回だった時もあれば、週に2回入った時もあるし……」
イ「では全く入らない月というのもあるんですか?」
S「普通にありますよ」
イ「そこまで融通が効くんですか?」
ネイルのお仕事が忙しい時は、1ヶ月まるまるお休みする。そういう時もあると聞かされ、正直驚いてしまいました。デリヘルって私が思っていた以上に、お休みの融通がきくんですね。驚く私に、Sさんも笑っていました。
S「そうですよね、普通の仕事はこうはいかないですよね。スポットがオッケーなので、スポット的なかんじでも入ったりしますし、とにかく融通がきくんです。そこが良いところだと思います」
Q いつまでデリヘルを続けようと考えていますか?
「ネイルで生計を立てられるまでって考えています」
イ「店舗を構えたいとは思っていないんですか?」
S「場所は今のままで十分なので、店舗でお店をって気持ちはないですね」
ネイルの仕事も起動に乗り始め、デリヘルの卒業も見えてきていると話してくれたSさんですが、迷いもあると言っていました。
「夜の仕事でも指名してくれる方が増えてきたので、なんていうか、正直辞めるのが心苦しいって気持ちもあります」
Sさんはデリヘルをはじめて、たくさんのお客さんと接しているうちに、体型に関するコンプレックスが少しずつ薄らいでいったと言います。デリヘルという人にはあまり口にできない仕事が、長年抱えてきたコンプレックスの解消へ繋がったという話は、私にとっても意外な話でした。
Q 風俗のことばかり聞いてしまったので、ネイルのことも。ネイル仕事の苦労もありますか?
「毎月デザインのテーマを決めて、それをブログなんかにも書いてるんですけど、それがけっこう難しいですね」
イ「毎月のテーマなんてものがあるんですか?」
S「季節に合わせてデザインが変わると楽しいじゃないですか」
イ「デザインって自分で考えてるんですよね?」
S「そうですね。これがけっこう大変で。デザインを考えるために、かわいいカフェに行ったり、美術館へ行ったりしてヒントを得たりしています」
デザインの話になった途端、いきいきとネイルについて語ってくれたので、本当にネイルが好きで仕事をしている人なんだと感じました。
「お客さんの要望通りにできてるかなって、いつも不安になるんですけど、でも出来上がった爪を見て笑顔になる人を見ていると本当にやりがいを感じてしまいます。苦労も吹っ飛びますよ!」
Q では最後に、これから働いてみたいと考えている子に一言お願いします。
「私はこんな体型だから言えるんですけど、昔はコンプレックスだったこの体型でも、働くことができたし、逆に自信もついた気がします。もしかすると、そういうことって誰でもあるかもしれませんよね」
最後に写真を1枚撮らせてもらいました。
「トチギJAMをみせてる写真って、ちょっと嘘くさいですね?」と私も笑ってしまいましたが、実際Sさんはこの求人サイトでお店を見つけたそうです。とっても頭の良い方で、実はこの後いろいろと脱線して、あれこれ話をしていたら盛り上がって深夜になってしまいました。裏話もいろいろ聞けて、かなり楽しい時間を過ごせました。夜遅くまで付き合ってくれたSさん、本当にありがとうございました。
今回Sさんにインタビューが実現できたのも、たくさんの方の協力がありました。
ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
ではまた次回!