第8回ツイッター文学賞を読んでみた

さてさて、最近ずっと映画とアベンジャーズについて書いてしまったので、今回は本です!

 

突然ですが、ツイッター文学賞というのがあります。ご存知ですか?

ツイッターを通して本が好きな人が集まり、「この一年でどの本が一番面白かったか」を一冊だけ選ぶお祭りみたいなものです。ガチの本好きが「これが一番良かった!」とパッションをツイートに込めるので、私は本当に本当にこれを毎年楽しみにしています。本屋大賞とか信用ならんと思ってる方には絶対に面白いと思います。

 

2017年のツイッター文学賞の結果は今年の3月に出ました。今回は某アイドルグルームの作家さんが本を出していたことでいろいろとトラブルがあったようではありますが、まあそれは置いといて、せっかくなので国内編・海外編と読んでみました!

 

 

国内編1位 チュベローズで待ってる 加藤シゲアキ

 

いろいろとトラブル?というか争い?があってゴタゴタしましたが、某グループの方の本ですね。ファンの方々による投票がたくさんあって1位になったので私もかなり複雑なんですがせっかくなので読んでみました!

 

正直言うと想像していたよりもずっと面白くて、映画化とかしたら映像映えしそうな話だなって思いました。めちゃくちゃに良かったと大騒ぎはできないんですが、なかなか良かったような気がするというか……。でもちょっと後半ごちゃごちゃに詰め込みすぎている気がしたんですが、でもこれからの作品も期待できるなって感じました!

 

 

国内編2位 スウィングしなけりゃ意味がない 佐藤亜紀

 

1949年代のナチス政権下でのドイツの話です。常にジャズが根底に流れているような話なんですが、私はジャズについてはさっぱりなので、残念ながら頭の中で音楽が流れてくるってことは少しもありませんでした。

 

でもですね、でも……、ほんと、待って、最高でした……。この作者さんの書き方はいつも主人公にあえて感情移入をさせないような書き方なので、何というか淡々と物語が進むのですが、あまりに文章が研ぎ澄まされているので真に迫ってくるというか、言葉の圧がとんでもなく、途中で私は本当に謎の力に心臓が潰されるのではと思いました。ラストは私も疲れ果てて涙なんて一粒だって出ないんですが、そこに響いてくるジャズの力強さが……、やばい。本当に名作。

 

 

海外編1位 地下鉄道 コルソン ホワイトヘッド

 

この本、2500円もするんですよ。レジに持って行く時は「嘘でしょ、高いなこれ」と思っていたんですが、読後の最初の感想としては、「これが2500円で読めるとか世の中どうかしてる」です。2500円払えばこの本が手に入るとか、もはやタダ同然です。1万でも損はしない。

 

ピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞、カーネギー・メダル・フォー・フィクション、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞、レガシー・フィクション賞、インディーズ・チョイス・ブック・アワード受賞。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーAmazon.comが選ぶ2016年のNo.1。これだけ賞を取りまくった本です。アメリカ南部の農園で生活する奴隷の女の子が、自由のために脱出をする話です。あらすじを書くと一行で終わってしまうんですが、人権問題で揺れているアメリカでこれほど評価されるってことにも意味を感じるし、単純に小説として骨太だし、面白いし、圧倒されるし、すごくつらい。これはちょっと本当に世界の名著になる気がするので、教養のためにも勧めておきたいです。

 

 

海外編2位 ピンポン パク・ミンギュ

 

私にとってはじめての韓国文学でした。これ確かアメトークの読書芸人で推薦されていた本で、その時に気になって読んだものです。

 

いや本当に、韓国文学ってこんなに新しいの? というのが感想です。めちゃくちゃ傑作やんか! たぶん翻訳も秀逸なんだと思うんですが、疾走感と閉塞感を同時に感じるってすごいことだし、コロコロとピンポン球が転がるみたいに話が進むのはやっぱりきっと狙っているんですよね? 釘とモアイという男の子がけっこう陰湿ないじめにあっているので、そういうシーンはかなりきついんですが、最終的に「これを予想しろとか無理」という話になって、衝撃がすごいです。これは新しいし、すごい。韓国文学ってすごい。それともパク・ミンギュがすごいの? すごくおもしろかったです。

 

 

こんなに書くつもりはなかったんですが、本のことなのでついついたくさん書いてしまいました。いや本当に、ツイッター文学賞の10位以内に入ったものは全て読みたいところなんですが、まだまだ全然読めていません。それというのもきっとアベンジャーズがはじまってしまったからですね。