秋の夜長は何して過ごす?
さて、突然ですが秋と言えば何ですか?
芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋。秋には楽しむべきことがたくさんありますよね!
正直、どれもこれも秋に限ったことではないと思うんですが、秋になると何かをはじめたくなるのって、きっと日本人の習性みたいなもの。かくいう私も、秋になると一段も燃えるものがあります。それが読書です!
中国・唐代の韓愈(かんゆ)という文人が「燈火(とうか)親しむべし」という一節を残しているんですが、これは「秋の夜は涼しく気持ちがいいので、あかり(灯光)をつけて本を読むにはぴったりだ」という意味です。
この言葉が日本に伝わって以来、秋の夜は読書をするというのが日本の文化にもなったわけです。
そういったわけで、秋になると「秋にオススメ本10選」「秋にこれだけは読んでおきたい10作品」なんていう本の紹介サイトを巡っては、夜な夜な好みの本を探すのが私です。
けれど今回ばかりは折角なのでブック・ソムリエである私が(あくまで自称)秋にオススメの本をご紹介しようと思います。
新世界より/貴志祐介
せっかくの秋の夜。長い話をじっくり読みたい人にはこれ。
第29回日本SF大賞受賞作。
「黒い家」「青い炎」「悪の教典」などなど、書いた作品が次々に映像化される貴志祐介の作品です。
千年後の日本がいったいどうなっているのか。じわじわ迫りくる恐怖に、夜更かし必死の小説です!
シェリ/コレット
しっとりとした話を、毎日少しずつ読み進めていきたい。そう思う人にはこれ。
一カ所として軟弱なところ、冗漫な文章、陳腐な表現がない。そう賞賛されているフランス文学最高峰。あんまり完璧な文章なので、もう芸術の域。お話の内容どうこう言うよりも、感覚で楽しみたい一作です。
世にも美しい数学入門/小川洋子 藤原正彦
せっかく読書をするのなら知識も吸収したい!そう思う方にはこれ。
今一番注目されている文学賞である「本屋大賞」の栄えある第一回受賞作「博士の愛した数式」を書いた小川洋子が、それを書くにあたって「数学とは何なのか?」という根本的な疑問にぶち当ったそうです。数学とは何か。その答えを数学者である藤原正彦と考える本。
読み終わったら、いつのまにか数学が好きになってしまうから不思議です。
この方法で生きのびろ!
真面目な話じゃなくて、折角だから笑えるものがいい。そう思う人にはこれ。
人食い鮫に襲われたら。銃撃戦に巻き込まれたら。砂漠の流砂に落ちてしまったら。そんなありとあらゆる危険に遭遇してしまった場合の対処法が大真面目に書かれています。
正直一生こういった事態に陥ることはないと思いますが、知っていて損はありません。いつ何時、キャンプ中に熊が襲いかかってくるかもわかりませんからね!
もうひとつの場所/清川あさみ
そもそも活字を読むのが苦手。という人にはこれ。
とても珍しい絶滅図鑑です。
今はもうどこにも存在していない動物や植物。そういった生き物を糸やビーズで幻想的に描いています。
ただ、ほとんどの動植物の絶滅した原因が人間の仕業というのが悲しいことですけれども。
様々なジャンルで5作品選出してみました!
上記の作品を参考にしてくれると嬉しいですが、本屋でどれにしようかなって探すのも楽しいですよね。
さてさて秋の夜長、何して過ごしましょうか?