夏に読んでもらいたいオススメ本2016(前編)
(出典/flickr)
夏です。
うだるような暑さの日に、畳に寝転がって汗をかきながら夢中で本を読む。個人的な意見ですが、これ以上の贅沢はなかなか無いと思っています。夏こそ本が読みたい。しかも夏の暑さにぴったりの本が読みたい。いつもそう考えています。
というわけで今回は「2016年、夏のオススメ本」ということで、個人的な見解を含めて紹介したいと思います。個人的な趣味のため、今回はじめての前後編です。
まず第一に、読書はほぼ筋トレと同じなので、最初から飛ばすと途中で飽きてしまいます。ある程度筋肉をつけないと、ハードな筋トレが出来ないのと一緒です。小説も同じことで、活字慣れしていない人が太宰治を読んでも、個人差はあれど、途中で飽きてしまう場合があります。
個人的な意見ですが、太宰治も芥川龍之介も夏目漱石も坂口安吾も井伏鱒二も「おもしろすぎて寝られない」というタイプの小説ではありません。
活字慣れしていない人はまず「おもしろすぎて寝られない」タイプの本から入るべきだと思います。オススメする本も、そういったものを選んだつもりです。活字慣れしていない人は、初級編から読んでもらいたいですが、どれも私が読後に「最高かーーーー!」と奇声をあげたくなったものばかりなので、正直どれを読んでも大丈夫だと思います。
<初級編>
夏の庭 / 湯本香樹実
今から22年前の本です。夏になると今でもアマゾンのベストセラーランキングに入ってきますし、「夏のオススメ本」で検索すると必ず出てくる本です。世界各国で翻訳され、ありとあらゆる賞を取りました。たぶん100年先も読まれるだろう現代の名作のひとつです。
「人が死ぬところが見たい」と思った悪ガキたちが、死にそうなおじいちゃんを「いつ死ぬのか」と見張る話です。あらすじだけを読むと何だか怖そうなイメージですが「読んでよかった」と思える内容です。「泣ける本」として紹介するのは嫌なんですが、正直言って泣いてしまいますよね。
ルドルフとイッパイアッテナ / 斎藤洋
映画になりました!8月6日から全国ロードショーです。
これもまた29年前の本です。児童文学なので、今の大人達はきっとこれを読んで育ってきたんだと思います。私もそうです。小さいころに読んだ本は、今ではほぼ手放してしまい残っていないんですが「ルドルフとイッパイアッテナ」だけは、部屋を変えて、本棚を変えて、大人になった今でも本棚に残っています。
ノラ猫の友情話と言ったらそれまでですが、毎年「青少年読書感想文全国コンクール課題図書」に選ばれるくらいなので、読後に残るものは「友情を大切に!」なんて簡単なものだけではありません。話の本質がどこにあるのかは、たぶん大人になってからじゃないと気がつけない話です。子供の頃に読んだ人は、今こそ読み返す時かもしれません。
というわけで、今回は好きな本の話題なので長くなってしまいました。後編で「中級編」「上級編」を紹介したいと思います!