3月の読書日記

読書が好きで暇があれば本を読んでいるのですが、昔から本を読んでも読んだそばから内容を忘れたりするんですよね。
バカなんですかね?
本を読むと賢い人になる…、というのは、私に限って本当に当てはまらないなあと思っています。
まあ賢くなりたくて本を読んでいるのではなく、楽しいから読んでいるので特に問題はないのですが。

しかし毎回、今月は何を読んだっけ? と思うのも何なので、せっかくだからこの場を借りて、読んだ本についての読書日記をつけようと思います!
ここでそんなことを書いてもいいのかな? とちょっと思いますが、まあきっと大丈夫でしょう……!

というわけで、今月読んだ本はこれ!

・掃除婦のための手引き書/ルシア・ベルリン
・黒牢城/米澤穂信
・寒王の楯/今村翔吾
・医療民俗学序説/畑中章宏


掃除婦のための手引き書/ルシア・ベルリン

2020年の本屋大賞(翻訳小説部門)で2位。さらに第10回Twitter文学賞の海外編では1位になった本読みの間ではめちゃくちゃに話題になった一冊。
今月ようやく文庫になったので(単行本の時は2500円くらいだったので、ちょっと買ってなかったのです…!)ついに購入して読んでみました。

短編集で、なんとルシア・ベルリンの作品が日本で邦訳作品集として出版されるのははじめてらしいんですよ。
なので、作家さんのことはもちろん知りませんでした。
カバーの写真は本人のもので、美人さんですよね。

まあこの短編集がすごいんですが、この作家さん自体が波乱万丈の人生で、30歳までに結婚と離婚を3回繰り返して、4人のシングルマザーで、さらにアルコール依存症に悩んで、何度も引っ越しを繰り返して、いろいろな職業について、ようやくアルコール依存症から克服したのが50代という。
短編集は、自分の経験から書かれているものが多いらしく、人生のさまざまな場面を切り取って小説になっています。

いろいろな方の感想にもあるように、とにかく絶大な支持を得ているんですが、「何度でも読みたい」「元気になった」なんて言葉も見かけたんですけど、私にとっては強烈すぎて1回読めば十分だ……という感想に。

とんでもない強烈な人生を送った人の走馬灯をガッツリ見せられたような感覚で、めちゃくちゃに疲弊しました。でもすんごい本なので、強烈な読書体験をしたい人にはめちゃくちゃにおすすめしたい本です。


黒牢城/米澤穂信

昔からファンからアツい支持を得ている米澤穂信が、ついに直木賞を取りましたね! というかまだ取ってなかったことにびっくりだ!

この人なんでも書けるんだな…としみじみ思ってしまった。
なんと戦国時代小説×ミステリーで、ちゃんと推理ものになっているのが見事だし、やはり米澤穂信ということで、ものすっごく読みやすい。

舞台は本能寺の変よりも4年前のことで、織田信長に反旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重が主人公。当たり前ですが、ちゃんと史実です。
村重のところの城で囚人として閉じ込められている軍師・黒田官兵衛が、あれこれを謎を解いたりするお話なんですけど、いやーーーーーー上手でね、面白いんですよ。

これは安楽椅子探偵もの、という位置付けになるのかな?
戦国時代が好きな人は相当楽しいと思いますし、とにかく米澤穂信の新境地だなって感覚なので、これからこの作家さんはもっともっと面白いものを書いてくれるに違いないという期待がマックスでした。


寒王の楯/今村翔吾

こちらは米澤穂信の黒牢城と同時期に直木賞をとった作品ですよ!
どうも黒牢城のほうがメディアに取り上げられることが多かったり、本屋でランキングに入っていることが多いんですが(もともと米澤穂信はコアなファンが多いからかな?)こっちも面白かったです!

なんとこっちも、黒牢城もほとんど時代が変わらない戦国時代ものなんですよ。
楯 VS 矛 という古代からのテーマである、楯と矛、どっちが強い? というお話です。
舞台は豊臣秀吉が亡くなり、徳川家康による関ヶ原の戦いの少し前のこと。

どんな砲撃にも絶対に破られない石垣を作る主人公と、どんな石垣だって壊せる鉄砲を作るライバルの職人対決のお話なんですが、これがまたアツくて、少年ジャンプか? と思いました。
アニメ化したら映える内容でしょう。
キャラが立っているのでライトノベルみたいな雰囲気があるんですが、そのせいでスラスラ読めるので読書が苦手な人にもおすすめ。

ちなみに黒牢城で有岡城に立て籠った荒木村重の話も出てくるので、もしも史実を知らないで読むのでしたら、黒牢城のネタバレになってしまうという作品になっています。
なので戦国時代に詳しくない方は、黒牢城→ 寒王の楯の順番でどうぞ!


医療民俗学序説/畑中章宏

これは民俗学が大好きな私にとってご馳走みたいな本だ……!
現在のコロナ禍のこともそうですが、日本人は昔から災厄とどんなかんじで向かい合ってきたのか、というのがあちこちの伝承と共に紹介される一冊。

興味がない人からしたら、だから何? という話題で盛りだくさんなんですけど、「災いを祓う祈りと呪い」というキャッチコピーからもう痺れてしまう人にはうってつけの一冊です。

現在のアマビエブーム(アマビエブームってもう終わりました?)や、新海誠監督による天気の子」を、昔の水害伝承から読み取ってみたりと、なかなかとっかかりとなるおもしろい話がたくさん入っているので、こういう時代だからこそ読みたい一冊でした。


最低でも一週間に一冊は読みたいなと思っているので、3月まあまあ読めたほうでしょうかね。
漫画と違って時間がかかるのに、本はどんどん出版されるしで、もう読むのが全然追いつかないのですが、これからも頑張って(?)読んでいきたいと思います!
たぶんこの読書日記、4月もやります!